メンテナンスに手間と費用がかかる
壁面緑化には、省エネルギー効果やヒートアイランド現象の緩和など様々なメリットがありますが、同時にデメリットもあります。まず挙げられるデメリットは、メンテナンスに手間と費用がかかることです。壁面緑化は、植物を利用するので当然ながら水やりや剪定といったメンテナンスに手間と費用がかかります。メンテナンスを怠ると、植物が上手く成長せずに期待される効果が得られなかったり、逆に計画とは異なる方向に植物が伸びてしまい景観を損ねる恐れがあります。また、虫が寄ってくるのも壁面緑化のデメリットです。壁に植物を這わせる壁面緑化では、どうしても害虫などの虫が寄ってきやすくなるので害虫駆除も必要になります。たとえ害虫がつきにくい植物を選んだとしても害虫の発生を完全に防ぐことはできないので、虫が苦手という方は注意が必要です。
建物にダメージを与えてしまう恐れもある
壁面緑化には様々な種類の植物が使われますが、植物や外壁の種類によっては建物がダメージを負ってしまう恐れがあります。壁面緑化では、ヘデラ・ヘリックスやヘデラ・カナリエンシスといったツル系の植物が使われるケースが目立ちますが、ツル系の植物を壁面に這わせた場合、外壁の隙間に入り込んで建物にダメージを与えてしまうことがあります。そのため、壁面緑化を行う際は外壁の構造や材質にも注意を払うようにしましょう。また、建物の構造強度について考えておく必要もあります。壁面に植物を這わせると建物全体の重量が増加するので、場合によっては改修をしてからでないと導入できないケースもあります。加えて、建物の重量が増えるほど地震の揺れが伝わりやすくなるので、耐震性についても考慮する必要があります。
壁面緑化には果実を付ける植物も採用されます。建築物への日光対策や二酸化炭素削減をしながら食べられる美味しい果物の栽培も可能なため、緑化の手入れを続けるモチベーションが保ちやすいためです。